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セルベイラ・ビエンナーレ報告
2003年8月17・18日、r2001は【XII BIENAL INTERNACIONAL DE
ARTE DE VILA NOVA DE CERVEIRA】 において[UTUTU/eARTh]*注1)を発表してきました。
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【BIENAL
INTERNACIONAL DE ARTE DE VILA NOVA DE CERVEIRA】は1978年に始まりました。
70年代にポルトガルのアーティストがポルトガル北部、スペインとの国境近くの村「CERVEIRA」 に集まり、アーティスト・コミューンをつくりました。このビエンナーレはそのアーティスト達によって始められます。作品展示のみではなく、ワークショップにも重点を置いた芸術祭として、現在はポルトガル最大の国際ビエンナーレとして2年に一度開催されています。
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今回のビエンナーレのテーマは「グローバリズム」、[UTUTU/eARTh]のサブテーマは「conflict・矛盾」です。
「conflict・矛盾」を超えたアートによるコミュニケーションの可能性を見いだすため、デジタル展示と同時に、地域通貨をチケットにした「お茶会」や、「書」という文字表現によるワークショップを開きました。 会場では、同時にライブパフォーマンスを行う予定だったr2001メンバーのuminoとGUMが参加している、r2001オムニバスCD[fraction]、WooperBrainsオムニバスCD[kreskajo]が流され、[UTUTU]と[eARTh]がプロジェクターで投影される中、地域通貨ピュシスに絵を描いて、発券してもらいました。来場者は、その通貨をチケットとして茶会に参加することが出来ます。茶を喫し、こころをリラックス/リセットした後にみんなで絵を制作し、その後、書による表現を試みてもらいます。制作される作品はデジタル写真で撮影すると同時に、[eARTh]データベースに入れられることにより、会場に投影されます。
>>>当日の様子はこちらから
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【UTUTU/現】はリアルタイムにオンラインで世界各国のアーティストから投稿された作品画像を、3X3のグリッドにランダムに表示することによって、それぞれの作品の「美」と共に、文化や表現の違いを表現します。
今回は「conflict」をテーマに描かれた作品を提示することによって、「conflict」の真実を鑑賞者の目で捉えてもらう試みを行いました。
会場ではスクリーンにプロジェクターで投影されました。
(インターネットで自由に閲覧することも可能です)
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【eARTh】は来場者の描いた絵をデジタル化し、データベースに入れることによって、[UTUTU]と同じように、ランダムに表示するワークショップです。
今回は、バックミンスターフラーの「ダイマクション世界地図」*注2)のアウトラインを描いた約2mX6mの大きさのカンバスを使用し、それぞれの人の自由な表現で一つの作品を完成させました。約30分間隔でその作品の制作過程をデジタル写真に撮り、その画像を2X4に分割したものをデータベースに入れ、ランダムに表示します。同時に、世界各国のアーティストに、それぞれの断片に手を加えてもらい、絵による世界コミュニケーションを同時に進行しました。
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2日目には、主催者の提案で一つの物語にもとづいた作品を制作することにしました。テーマは「conflict」から「一期一会」に変化しています。
「ダイマクション世界地図」のアウトラインを描いたカンバスをグリッドで分け、ビエンナーレにアメリカから参加していたr2001メンバーのSharif Ezzatの詩を文節で分けた文章をもとに、絵を描いてもらいました。日本から参加の木賀陽子さんが「一期一会」という言葉を最初にカンバスに墨と筆で書きました。会場では[UTUTU]同様、スクリーンにプロジェクターで投影されました。(インターネットで自由に閲覧することも可能です)
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perhaps
i should tell you
that the whole world is determined to become my family.
it's true, they are knocking on the door now.
some are scared and seeking shelter.
some are confused and don't know how they arrived.
others are overjoyed
and have already started cooking a feast.
i tell them there is no hurry.
i ask them to keep it down.
you are still sleeping in a small room upstairs...
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やっぱり君には話しておいた方がいいんじゃないかと思うんだけど、
世界全体が一つのファミリーになるってことは決まっているんだ。
本当さ。ほら、また誰かがドアをノックしている。
シェルターを探してここに来た人もいれば、
どうやってここにたどり着いたのか解らずに困惑した人もいる。
大喜びで、もう宴会の準備をはじめてる人だっている。
大丈夫、そんなに急ぐことはないよ。
もう少し、静かにしていていいんだ。
だって、君たちはまだ2階の小さな部屋で眠っているのだから。
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| 【茶会】では、イベント会場全体をお茶室に見立て、国際親善という理念を持った裏千家の点前でお茶会を開きました。亭主は上岡誠二と上岡陶子がつとめました。来場者は。絵を描くことによって発行することが出来る「地域通貨ピュシス」をチケットとして、お茶をいただくことができます。オープニングの際に茶の湯について、今回のr2001イベントのキューレーターであるTeresa Torresがポルトガル語で、原田紗希が日本語で説明しました。 |
茶の湯とは
中国から日本に伝わった禅の文化です。
茶を飲みながら禅の対話をしたのがその始まりです。
日本の中世にその形はひとつの完成を遂げることになります。
その小さな茶室の中では封建制の時代においても
平和、平等、友愛が語られました。
当時、刀を人前で外すことのなかった武士も
茶室に入る前には刀を外し
その膝ほどの高さの入り口から入るときに
どのような地位の人でも頭を垂れ
一期一会という言葉に代表されるような
こころをつくしたもてなしが行われました。
また、芸術という視点においては
陶器などの茶道具における新たなる美の発見
絵画を鑑賞するための空間の形成。
そして、茶の湯自体もインスタレーションと
インタラクティブなアクションアート
そのような総合的な芸術として完成されました。 |
【書】ではアートとしての文字「書」を書くワークショップを行いました。世界はあるがままであって、そこに「矛盾」を作り出しているのは「言葉」ではないでしょうか?その言葉を造形美として捉えることによって、それぞれの「conflict」の真実を見いだすことができるかもしれません。自分の名前を日本の文字で書いてくれというリクエストが殺到しましたが、個人を違った角度から捉え、表現する・表現されることによって、新しい美を見いだすことの期待を感じていたからかもしれません。
>>>書の作品はこちらから [Gallery] or [Slideshow] |
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このイベントによって、会場には予想以上の連帯感、矛盾を超えた平和が訪れました。それぞれの人がそれぞれの表現を行い、その表現を認め合う。すべての人がアートに関わることによって、世界は変わるかもしれない。そんな可能性を感じさせる二日間でした。イベントの終わった後に、ビエンナーレに参加しているメキシコの作家、Ilya Noeさんから次のような言葉を頂きました。(彼女は幼い頃に日本にも来たことがあるそうです。)
「アーティストはみんな、このイベントで表現されたことを、一つの作品で表現して感じてもらおうとしているのだけど、ホントにこんなことが可能だなんて、なんてすばらしいことでしょう!」
*注1) [UTUTU/eARTh]はr2001が1999年より世界各国及びインターネット上で発表しているデジタルの展示・ワークショップです。
*注2) ダイマクション(Dymaxion=Dynamic & Maximum efficiency
最小限のインプットで最大限の効果を得る、といった意味の造語)ダイマクション世界地図は、どの大陸も寸断されず、しかも相対的な形や大きさに視覚的な歪みが生じない。従来の投影図法の問題点を一挙にクリアした画期的な地図。「世界には唯一世界洋があるだけだ。」Buckminster Fuller
2001年度【XI
BIENAL INTERNACIONAL DE ARTE DE VILA NOVA DE CERVEIRA】への参加企画はこちらから
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